どうも!Naoyukiです!
今回は周手術期実習における術前のアセスメントの中でも呼吸器合併症に関するポイントを解説していこうと思います。
今回の記事を読んでいただくことで
・術後の呼吸器合併症を予測するために必要な情報が理解できる
・術後の呼吸器合併症に関する情報をゴードンのどこで取り扱うかが理解できる
・術後の呼吸器合併症に関してどのようなアセスメントをすれば良いか理解できる
このようなメリットがあります。
なので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです!
呼吸器合併症に関する術前のアセスメントのポイントとは?
術後の呼吸器合併症を予測する上で必要な情報を紹介しつつ、どうしてその情報が必要なのかも合わせて解説していきます。
年齢
理由:加齢に伴い呼吸筋の動きが悪くなったり、肺が硬くなってしまい、膨らみにくくなってしまう。また、喀痰に関わる筋力の低下によって痰の喀出力が悪くなってしまう。
ゴードンの分類:健康知覚/健康管理
呼吸機能
呼吸機能について重要な検査項目としては%肺活量と1秒率になります。
%肺活量とは簡単に言うと肺にどれくらい空気を取り込めるのかを検査します。
1秒率とは簡単に言うと、吐き出す力を知る検査になります。
どうして、この2つの検査項目が必要ななのかを理由も含めてまとめてみました
ゴードンの分類:活動
血液ガス(ガス交換機能検査)
PaO2値、PaCO2値、HCO3-値
理由:体内の酸素や二酸化炭素を上手く調整する能力があるかを判断するため
ゴードンの分類:活動
既往歴・現病歴
呼吸器疾患に関する除法として
拘束性換気障害に関する既往歴・現病歴:肺水腫、間質性肺炎、肺腫瘍など
閉塞性換気障害に関する既往歴・現病歴:気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫など
理由:呼吸機能の数値が低い場合に、原因疾患との関連を判断するため
ゴードンの分類:活動
喫煙歴(ブリンクマン指数)
理由:術後の気道内分泌物の増加に伴い、気管支肺炎や無気肺のリスクが上昇するため
ゴードンの分類:健康知覚/健康管理or活動
肥満(BMI)
理由については図を用いて解説します。
肥満による肺の拡張が障害されるということは、無気肺につながりやすくなりますね。
ゴードンの分類:栄養代謝and活動
手術部位
呼吸器合併症のリスクが高い順に手術部位を紹介していきます
胸部>上腹部>下腹部>四肢
理由:胸部の手術では肺の虚脱が起きやすい。
ゴードンの分類:活動
手術時間(予定時間も含む)
3時間以上(麻酔侵襲や手術侵襲に晒される時間が長くなるため
ゴードンの分類:活動
手術体位
リスクが高い順に砕石位>側臥位>仰臥位
ゴードンの分類:活動
術式
リスクが高いのは腹腔鏡下術
理由:腹腔内に炭酸ガスを充満させるため横隔膜が挙上し、肺の拡張を妨げるため
ゴードンの分類:活動
年齢:60歳代後半 BMI 30
疾患名:肺がん 術式:胸腔鏡下での肺の部分切除 手術体位:側臥位
既往歴:COPD
喫煙歴:20歳〜60歳まで1日20本、喫煙していた
ブリンクマン指数:800
検査データ
%肺活量:83%、1秒率65%
PaO2値:85mmhg PaCO2値:42mmhg
O情報
喫煙歴:20歳〜60歳まで1日20本(ブリンクマン指数800)
検査データ
%肺活量:83%、1秒率65%、PaO2値:85mmhg PaCO2値:45mmhg
既往歴:COPD 体型:肥満型(BMI30)
術式:全身麻酔下での胸腔鏡下右肺部分切除 手術体位:左側臥位
解釈・分析
1秒率は正常値よりも低く、閉塞性換気障害に該当している。
PaCO2値は正常値よりも少し高い。1秒率の低下やPaCO2値の上昇は既往歴のCOPDによる影響が考えられる。
%肺活量やPaCO2値は正常範囲内である。
閉塞性換気障害があることと喫煙歴が長く、ブリンクマン指数も高いため術後気道内分泌物の貯留に伴う気管支炎や無気肺のリスクがある。
また、全身麻酔による侵襲や胸部の手術であること、手術体位や肥満体型であることからも術後、無気肺や気管支肺炎のリスクが考えられる。
指導教員や病棟指導者の指導を取り入れながら追加・修正をしてみてね!
まとめ
今回は術前のアセスメントのポイント【呼吸器合併症】として
・術後の呼吸器合併症を予測するために必要な情報
・術後の呼吸器合併症に関する情報をゴードンのどこで取り扱うのか
・術後の呼吸器合併症に関するアセスメントの一例
を解説させていただきました!
今回の記事がお役に立てたら嬉しい限りです!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!!
コメント