術前のアセスメントのポイント【麻痺性イレウス】

周手術期実習

どうも!Naoyukiです!

今回は術後合併症の中でも、麻痺性イレウスについて取り上げていきます。

麻痺性イレウスは消化器合併症の一つですが、実習中に看護問題として取り上げる人も多い合併症だと思います。

そこで、今回は術後合併症の一つである麻痺性イレウスについて詳しく解説していきます!

今回の記事のあらすじ

・術後の麻痺性イレウスを予測するために必要な情報が理解できる

・術後の麻痺性イレウスに関する情報をゴードンのどこで取り扱うかが理解できる

・術後の麻痺性イレウスに関してどのようなアセスメントをすれば良いか理解できる

麻痺性イレウスに関する術前のアセスメントのポイントは?

それでは、術後の麻痺性イレウスを予測するために必要な情報とその理由、ゴードンのどこの分類に該当するかも解説していきますね!

年齢

理由:高齢者の身体的特徴として腸管運動の機能低下→便の停滞と硬化→便秘傾向

ゴードンの分類:健康知覚/健康管理or排泄

排便習慣(or緩下剤を常用しているか)

理由:便秘傾向だと腸管運動の機能が低下している可能性があるため。

ゴードンの分類:排泄

既往歴

理由:開腹術の既往(短期間に2回以上)があると腸管が癒着している可能性が高いため

ゴードンの分類:健康知覚/健康管理

栄養状態・電解質異常

理由

低栄養状態→膠質浸透圧の低下→腸管浮腫→腸管運動の低下のリスクがある。

電解質異常→神経・筋肉の動きが低下→腸管運動の低下のリスクがある

ゴードンの分類:栄養・代謝

画像所見(レントゲン、CT)、腸蠕動など

理由:腸の器質的な問題や腸の運動機能の客観的判断をするため

ゴードンの分類:排泄

術後の疼痛に関する情報(鎮痛剤の種類なども)

理由:術後の疼痛は交感神経を優位にし腸蠕動が低下や離床の遅れを招く恐れがあるため。

ゴードンの分類:認知・知覚

術式・手術部位、麻酔方法

理由

手術部位が腸管だと手術操作によって腸管を触ることで、腸管運動が抑制される恐れがあるため。

開腹術の場合、腹膜刺激によって腸管の運動が抑制される恐れがあるため

全身麻酔下での手術だと腸管の運動が抑制されるため

ゴードンの分類:健康知覚・健康管理or排泄

naoyuki
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それでは、事例を用いてアセスメントしてみるよー!

事例

性別:男性 年齢70代後半

病名:S状結腸がん 術式:S状結腸切除術(腹腔鏡下)

既往歴:20代の頃に盲腸の手術を受けている(開腹術)

排便習慣:便秘傾向であり、緩下剤を常用している

栄養状態:栄養状態は良好、電解質異常もない

検査所見:腹部レントゲン、腹部CTでS上結腸に腫瘤あり。

排泄

O情報

70代後半、術式:S状結腸がん、麻酔方法:全身麻酔

20代のころ開腹術の既往あり。

排便習慣:便秘傾向で緩下剤を常用している

検査所見:腹部レントゲン、CT上でS上結腸に腫瘤を認めるが、排ガスの貯留はない。

解釈・分析

開腹術の既往歴があることや、手術操作で腸管を触ること、全身麻酔によって術後腸管の動きが抑制される可能性が高い。

また、加齢による影響やS状結腸の腫瘤によって便が腸内に貯留しやすい状態である。

以上のことから術後の一過性の生理的腸管麻痺が遷延し、麻痺性イレウスに移行するリスクがあると考えられる。

#麻痺性イレウス

naoyuki
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アセスメントしてみましたが、細かい部分は省略しています。

教員や指導者さんの指導も取り入れながら追加・修正してね!

まとめ

今回は術前のアセスメントのポイント【麻痺性イレウス】として

・術後の麻痺性イレウスを予測するために必要な情報が理解できる

・術後の麻痺性イレウスに関する情報をゴードンのどこで取り扱うかが理解できる

・術後の麻痺性イレウスに関してどのようなアセスメントをすれば良いか理解できる

以上のことを解説しました。

今回の記事が何かのお役に立てたら嬉しい限りです!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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