術後のin-outの項目のまとめ!計算方法についても

周手術期実習

どうも!naoyukiです!

今回も周手術期実習に関する記事としてin-outについて解説していこうと考えています。

僕が学生の頃、周手術期の実習で検温の報告をした際にこんな場面がありました

術後のin-outについても報告して欲しいんだけど
術後のin-outですか…。
計算できていません…。
なんで、計算してないの?
明日までに計算して報告してね💢
これはヤバイ…。

この場面のあと、僕は指導教員に縋り付くようにアドバイスを求めなんとか術後のin-outを計算し、報告した訳です…。
今、この記事を読んでいただいているあなたには僕と同じようなことを経験して欲しくないと思います。

そこで、今回は術中、術後のin-outを考えていく中で、どんな内容を計算しないといけないのか、またその内容はどんな計算式を用いるのかを解説していこうと思います。

術中、術後のin-outの項目とは?

まず術中、術後のin-outを計算する上で考えなきゃいけないのが「何を計算する必要があるの?」ということです。

そこで、術中、術後のin-outに関する項目を紹介していきます。

術中、術後のintakeに関する項目

術中のintake→輸液量(実測値)

術後のintake→輸液量、飲水量(実測値)代謝水(予測値)

代謝水の計算式:5ml✖️体重kg/日

術中、術後のouttakeに関する項目

術中のouttake→出血量、ドレーンからの排液量、胃管からの排液量、尿量など(実測値)、不感蒸泄(予測値)

術後のouttake→出血量、ドレーンからの排液量、胃管からの排液量、尿量など(実測値)、不感蒸泄(予測値)

不感蒸泄の計算式

手術中:2-3ml✖️体重kg✖️手術時間

術後:15ml✖️体重kg/日(体温が1℃上昇すると15%上昇する)

上記にあげた項目を計算し、intakeに傾いているの、outtakeに傾いているのかを考えていく必要があります。

それでは、実際に事例を用いて術後のin-outを計算していきましょう。

術中、術後のin-outの計算方法は?

事例

Aさん60歳 男性、体重は60Kg。術式は右の下葉切除術。

手術日が10/1で、手術の時間が9:00〜15:00 

手術中の経過

手術時間は予定通りで行われた。

術中出血量は100g、胸腔ドレーンの排液量は70ml、尿量は500ml。

手術中の輸液量は3000ml。

Aさんの術中、術後のin-outを計算しやすいように術後の経過をイメージしてみました。

術中のin-outについて

上の図で言うと水色の四角の部分ですね。

術中のIntake:術中の輸液量3000ml

術中のOuttake

A  術中出血量は100g+胸腔ドレーンの排液量70ml+尿量500ml=670ml(実測値)

B  不感蒸泄:2-3✖️60kg(体重)✖️6(手術時間)=720-1080ml(予測値)

術中のout takeとしては A+B=1390-1750ml

サードスペース

中等度の開腹術に該当すると考えて

3-5ml✖️60kg(体重)✖️6時間(手術時間)1080-1800ml

術中のin-outをまとめると

in3000ml に対してout1390ml-1750mlなので、見かけ上は1250ml-1610mlのプラスバランスであることが評価できます。

しかしながら、手術侵襲によって血管内の水分がサードスペースへ移動しているので-550ml〜+530mlの範囲の状態であるといえます。

手術当日(10/1)の15時〜10/2の5時59分までのin-outについて

上の図で言うと①の部分についてのin-outを計算していきます。

10/1の15時〜10/2の5時59分までのAさんの状況

輸液量は1500ml

胸腔ドレーンの排液量は300ml

尿量950ml

その場合

intake:輸液量1500ml(実測値)+代謝水188ml(予測値)=1688ml

代謝水の計算式:5ml✖️体重kg/日なので

5ml✖️60kg✖️15時間(10/1の15時〜10/2の5時59分)➗24時間=約188ml

outtake:300ml+950ml(実測値)+不感蒸泄563ml=1813(予測値)

術後の不感蒸泄の計算式:15ml✖️体重kg/日(体温が1℃上昇すると15%上昇する)

15✖️60✖️15時間(10/1の15時〜10/2の5時59分)➗24時間=約563ml

intakeとouttakeのバランスとしては1688ml-1813ml=-125mlといえます。

術中のin-outも含めて考えると

術中のin-out手術当日(10/1)の15時〜10/2の5時59分までのin-out 

-550ml〜+530ml   + -125ml = -675ml〜405mlの間でAさんのin-outバランスが動いていることになります。

手術翌日(10/2の6時から)のin-outについて

上のイメージ図の②のin-outについて

intakeについて

10/2に投与される点滴の合計量+1日の代謝量+飲水量(医師の許可が降りた場合)

outtakeについて

ドレーンや胃管の排液量、尿量(実測値)+1日の不感蒸泄

で計算すると求めることができます。

まとめ

今回は術後のin-outの項目と計算方法を紹介するとともに、事例を用いてin-outを計算してみました。

in-outの計算については実際に計算してみることで少しずつ慣れてくるのではないかと思います。

今回の記事がお役に立てたら嬉しいです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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