どうも、Naoykiです!
今回も周手術期の実習に関する事をお伝えしていきたいと思っているのですが、今回は離床の促し方についてとりあげようと思います。
術後の早期離床は様々な術後合併症を予防する為に有効ですよね。
このことは、授業でも聞いた人が多いと思います。
術後の早期離床なんですが、学生が思っているほど進まないこともあります。
そのような時に「どうしたら良いんだろう?」と悩むこともあると思います。
そんな時にこの記事が役に立つはずなので、最後までみてもらえたら嬉しいです!
術後の離床が進まないこともある?
術後の離床ですが、術式や手術範囲などで変わることもありますが、基本的には術後1日目に始まります。
術後1日目の医師の回診後に離床の許可の指示が出ることが多いです。
医師の指示が出た後、指導者または担当看護師と一緒に患者さんの病室を訪室し、離床の場面に同席する訳ですがスムーズに離床が進まない場合があります。
術後の患者さんの状態としては傷の痛みや倦怠感、たくさんのルート類がついている状態です。
患者さんからしたら
「こんな状態で、動けないのに…。動けって言うの?」
「動きましょうて…本気なの?」
と思う人もいます。
実際に患者体験をされたある看護師さんのツイートを紹介したいと思います。
2018年11月子宮体癌術後1日目。看護師Aさんのおかげでたくさんのことがわかった。私がこれまでみてきた患者さんと同じで1日目が一番つらい、疲れること。早期離床は患者のためにやらなければならないことだけど、看護師の促し方、話し方や態度やしぐさでやる気になるか嫌になるか違ってくること😆
— Wanmoe (@Wanmoe1) August 3, 2019
ツイートの真ん中あたりに「術後1日目が一番つらい、疲れること。」とあるように術後1日目は患者さんにとってつらい状況であることは理解できたと思います。
それでは、このようにツライ状況下において、離床を効果的に進める方法を解説していこうと思います。
術後の効果的な離床の方法とは?
効果的な離床の方法その①「起きた状態を作ること」
離床とは「床から離れている状態」を指す言葉です。
床から離れている状態をもう少しわかりやすい表現で表すと、「起きている状態」になります。
なので、離床のポイントとしては「起きている状態」をいかに作っていくかになります。
離床といえば、術後の初回歩行をイメージする学生さんも多いと思いますが、歩行するだけが離床ではないです。
この視点を持った上で患者さんの術後の入院生活をみてみると、患者さんが起きた状態で過ごしている場面に気づくのではないでしょうか?
例えば、飲水や歯磨きの時。
患者さんは起きていませんか?
起きて歯磨きをする、起きて飲水をする、起きてテレビをみるなど患者さんが起きた状態で過ごしている時は「離床」している時間になる訳です。
なので、効果的な離床を促すときまたは、離床を行う時は普段の生活のなかで座って行う動作を取り入れることを意識してみて下さい。
実はこの視点、術後の清潔ケアの時にも活用できます。
清潔ケアを行う場合も、背中を拭くときや、更衣などを座位で行うことによって離床を促すことが可能です。
患者さんの状態にもよりますが、座位の時間が保てそうなら、足浴なども一緒に行うことで、座位の時間を増やせたりします。
効果的な離床の進め方その②「痛みをとること」
患者さんの術直後の悩みの種である創部痛。
傷の痛みが強すぎると動きたくても動けないですよね。
僕も肘の手術をした後の傷の痛みが本当にツラかった…。
創部痛が増強しやすい時は体動時です。
術後は硬膜外麻酔による鎮痛やオピオイドの持続投与など定期的に鎮痛を図っていることがほとんどです。
創部痛が強い時は頓服で鎮痛剤を追加で使用できます。
離床を促す前には、創部痛の確認をするとともに、鎮痛剤の効果も合わせて判断します。
鎮痛剤の効果が得られている時は体動時の疼痛も幾分かは軽減してます。
なので、使用されている鎮痛剤の効果が得られ始める時間を予測し、鎮痛が得られている時に離床を促すことは離床時の苦痛を軽減することにつながります。
その為、術後によく使われる鎮痛剤であるフェンタニル注やロキソプロフェン、アセトアミノフェンなどは最高血中濃度を事前に調べておくことをオススメします!
効果的な離床の進め方その③「声かけを工夫すること」
先述しましたが術後1日目は患者さんにとってツライ状況です。
その状態で離床をする訳です。
なので、まずは、しんどい状態でも離床をしている患者さんの努力をまず認めましょう。
そして、次に患者さんの努力の方向性を示すような声かけをしてみて下さい。
例えば
「痛い状態でも頑張って歩いているなんて凄いことです!」
「今の頑張りは術後の回復に繋がりますからね」
「なので、少しずつで良いので一緒に歩きましょうね!」
このような声かけができれば100点だと思います。
一朝一夕でできる訳ではないですが、自分が患者さんと同じようにツライ時にどんな声をかけてもらえたら嬉しいかイメージしてみると良いですよ!
まとめ
それでは、今回の記事の内容をまとめようと思います!
術後は痛みや倦怠感などで学生が思うように離床が進まないことがある
効果的な離床の進め方としては
①起きて行う日常生活動作を意識すること
②痛みをとること
③声かけを工夫すること
今回、解説した内容が実習に役立つと嬉しいです!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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