どうも!Naoyukiです!
今回は頭頸部腫瘍の患者さんで化学放射線治療を受けている場合の副作用を解説していきます!
実習中の参考になれば嬉しいです
・放射線化学療法を受けている患者の看護問題がわかる。
・放射線化学療法を受けている患者の看護計画がわかる。
放射線化学療法中の頭頸部腫瘍の患者の看護問題とは?
放射線化学療法中の頭頸部腫瘍の患者の看護問題を考える前にまずは放射線治療と化学療法の副作用や有害事象を理解する必要があります。
頭頸部領域に使用される抗癌薬としてシスプラチン、フルオロウラシル、パクリタキセル、ドセタキセル、セツキシマブなどがあります
少し大変だと思いますが、各抗がん薬に出現しやすい副作用を知る必要が出てきます。
代表的な抗がん薬としてシスプラチンを例にあげていきます。
シスプラチンの副作用で代表的な物として、悪心、嘔吐、腎機能障害、骨髄抑制などがあります。
この副作用が続くとどんなことにつながるかというと
A悪心・嘔吐→食事や飲水量が減る。
B腎機能障害→尿が少なくなる、体内に水分が増える
C骨髄抑制→赤血球や白血球、血小板の数値が減る と言うような問題につながります。
シスプラチン投与以外の抗がん薬の副作用についてのオススメの文献
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次に放射線治療の有害事象としては a口腔、咽頭、食道の一部の粘膜炎、b顔面と頸部の皮膚炎があります。
この有害事象がどんな看護問題につながるかと言うと
a口腔、咽頭、食道の一部に粘膜炎が生じる→痛くて、食事、飲水の量が減る。
b顔面と頸部の皮膚炎→疼痛の出現や感染の可能性につながる
というような問題に波及する可能性があります。
シスプラチンに伴う薬物療法の副作用と放射線治療の有害事象を含めた看護問題を整理するにはA~Cとa,bの組み合わせを考える必要があります。
Aとaを組み合わせていきます。
シスプラチンによる悪心・嘔吐で食事や飲水量が減る+口腔、咽頭、食道粘膜炎による疼痛で食事や飲水量が減る
二つの内容をまとめると「シスプラチンによる悪心・嘔吐、口腔、咽頭、食道粘膜による疼痛によって食事や飲水量が減る」と整理できますね。
もう少し整理してみます。
「シスプラチンによる悪心、放射線粘膜炎の疼痛による経口摂取量の低下」なんてどうでしょうか?
経口摂取量が減少するということを深堀りしていきます。
ご飯を食べる目的は様々ですが、生物学的に考えると栄養を摂取して生命を維持する目的がありますね。
なので「シスプラチンによる悪心、放射線粘膜炎の疼痛による経口摂取量の低下」が続くと栄養が摂取できない(栄養状態が維持できない)
ということに繋げていきます。
次にAとbの組み合わせを考えます。
「悪心・嘔吐で食事や飲水量が減る」はAとaの組み合わせの考え方を応用します。
「悪心・嘔吐で食事や飲水量が減る」ということは経口摂取量が減少し、栄養状態の維持が難しい状態につながる可能性があります。
栄養状態の維持が難しい場合、顔面と頸部の皮膚炎に影響してきます。
どんな影響かと言うと、顔面と頸部の皮膚炎が治りにくいことです。
放射線皮膚炎は正常な皮膚の細胞が傷つくことで生じます。
傷ついた細胞は体内に蓄えられた栄養を使いながら回復します。
なので、蓄えられている栄養が少ないとその分、回復も遅くなるわけです。
話をまとめるとAとbの組み合わせでは
「悪心・嘔吐で食事や飲水量が減ることに伴い栄養状態が低下することで顔面や頸部の皮膚炎の回復が遅れる可能性がある」
といえます。
また、放射線粘膜炎に伴う疼痛でも経口摂取量が減少し栄養状態の維持が難しくなる可能性もあります。
なので「悪心・嘔吐、粘膜炎による疼痛で経口摂取量が減少しに伴う低栄養状態が原因で顔面や頸部の皮膚炎の回復が遅れる可能性がある」と統合します。
それでは看護問題をまとめていきます。
Aとa,の組み合わせ
→「#悪心・嘔吐、粘膜炎による経口摂取量の減少に伴う栄養状態の低下又はリスク」
Aとa,bの組み合わせ
→「#悪心・嘔吐、粘膜炎による経口摂取量減少に伴う栄養状態低下に起因した放射線皮膚炎の増悪又はリスク」
これについては少し長いのでシンプルに「#放射線皮膚炎のリスク又は放射線皮膚炎の増悪のリスク」とします。
次に「B腎機能障害→尿が少なくなる、体内に水分が増える」と「a口腔、咽頭、食道の一部の粘膜炎」、「b顔面と頸部の皮膚炎」の組み合わせですが、放射線皮膚炎のリスク因子の中においても腎機能障害は該当しませんでした。
放射線皮膚炎のリスク要因はこちらなので、腎機能障害が粘膜炎や皮膚炎を増悪させる直接の原因になると言いきれないですね。
Bについては独立した看護問題として考えます。
考えられるのが「#シスプラチン投与に伴う腎機能障害に関連した体液量過剰のリスク」です。
最後に「C骨髄抑制→赤血球や白血球、血小板の数値が減る」と「a口腔、咽頭、食道の一部の粘膜炎」、「b顔面と頸部の皮膚炎」との組み合わせを考えてみます。
重度の粘膜炎や皮膚炎が生じている時期と、抗癌薬による骨髄抑制の時期が重なれば、出血や感染を併発する可能性があります。
この場合、「放射線粘膜炎、放射線皮膚炎、シスプラチン投与に伴う骨髄抑制による好中球減少や血小板減少による感染のリスクや出血のリスクがある」と統合します。
「C骨髄抑制→赤血球や白血球、血小板の数値が減る」と「a口腔、咽頭、食道の一部の粘膜炎」、「b顔面と頸部の皮膚炎」との組み合わせから抽出する看護問題ですが
「C骨髄抑制→赤血球や白血球、血小板の数値が減る」に関わる部分の問題として抽出します。
理由としては放射線粘膜炎や放射線皮膚炎の問題は「#悪心・嘔吐、粘膜炎による経口摂取量の減少に伴う栄養状態の低下又はリスク」と
「#悪心・嘔吐、粘膜炎による経口摂取量減少に伴う栄養状態低下に起因した放射線皮膚炎の増悪又はリスク」の問題でカバーしていると判断したからです。
骨髄抑制に伴う看護問題としては代表的なのは「#シスプラチン投与に伴う好中球減少による易感染状態」があります。
他にも「血小板減少に伴う易出血状態」、「赤血球減少に伴う貧血」もありますが受け持ち開始時の採血データから看護問題として取り上げるか考えていきます。
まとめ
放射線化学療法中の頭頸部腫瘍の患者の代表的な看護問題として
#悪心・嘔吐、粘膜炎による経口摂取量の減少に伴う栄養状態の低下又はリスク
#放射線皮膚炎のリスク又は放射線皮膚炎の増悪のリスク
#シスプラチン投与に伴う腎機能障害に関連した体液量過剰のリスク
#シスプラチン投与に伴う好中球減少による易感染状態
(*シスプラチンが入る看護問題は使う抗がん薬によって変わります)
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